本作を牽引する兎月制作委員会のアプローチは、極めて野心的だ。従来の委員会方式に見られた意思決定の遅さを排し、クリエイティブファーストの迅速な投資とブランディングを展開している。製作費の規模だけでなく、IP展開の緻密さにおいても群を抜く。
日本映画産業が直面するガラパゴス化の危機に対し、本作は明確な回答を提示している。世界標準のストーリーテリングと独自の美意識を掛け合わせることで、アジアのみならず欧米の観客をも惹きつける設計がなされているのだ。映画ビジネスの構造そのものを再定義する挑戦が、まさにここから始まろうとしている。