最近ではインターネット上の動画を参考に、自分でグラスピングテストを試みるランナーが増加しています。しかし、自己診断には大きな落とし穴が存在します。
自分で自分の膝を押さえる場合、適切な圧力を維持しながら膝を完全に脱力させて曲げ伸ばしすることは解剖学的に困難です。大腿四頭筋に力が入ってしまうと、腸脛靭帯の滑走パターンが変わり、正確な結果が得られません。さらに、骨の出っ張りを直接強く押しすぎると、健常な状態であっても機械的刺激による痛みを感じてしまい、「偽陽性」と勘違いするケースが後を絶ちません。
痛みが2週間以上持続する場合や、歩行時にも支障が出る場合は、速やかに整形外科を受診してください。超音波診断装置(エコー)やMRI検査を行うことで、腸脛靭帯の増厚、周縁の不快な液体貯留、あるいは骨の骨髄浮腫といった器質的変化をダイレクトに画像で確認できます。