タイムラインを高速スワイプする毎日に疲れ果てた若者たちが、今、あえて3時間以上かけて1枚の紙と泥臭く格闘している。スマートフォンを伏せ、静寂の中で紙の繊維の手触りと向き合う。指先に伝わる触覚だけに集中する時間は、ストレスに晒された脳を休める強力な「動的瞑想(マインドフルネス)」として機能している。
完成への道は決して平坦ではない。途中でひとつの折り筋がズレれば、最終的なバランスは崩壊する。失敗と微調整を繰り返し、やがて手の中で完璧な神獣が立ち上がった瞬間のカタルシス。「#PegasusOrigami」のハッシュタグを追えば、世界中の若者が自慢のペガサスを誇らしげに掲げる写真や動画で溢れかえっている。デジタル全盛の反動として、アナログ表現の極致である折り紙が選ばれているのだ。