村雨辰剛を語る上で欠かせないのが、スウェーデン生まれの青年が日本国籍を取得し、伝統の庭師として生きるに至った数奇な経歴です。
生まれはスウェーデンで、本名(出生名)はヤコブ・セバスティアン・ビヨーク(Jakob Sebastian Björk)。幼少期から歴史や異文化に深い興味を抱き、高校卒業後に念願の初来日を果たしました。当初は外国語指導助手(ALT)などを務めていましたが、「日本固有の伝統文化に深く関わる仕事がしたい」という強い信念から、愛知県西尾市にある加藤造園の門を叩き、弟子入りを果たします。
5年間の厳しい修行を経て一人前の庭師へと成長した彼は、2015年、26歳の時に日本国籍を取得(帰化)しました。現在の名前「村雨辰剛」は、入門した造園の親方の父親が名付け親です。「村雨」は『南総里見八犬伝』に由来し、「辰」は自身の生まれ年である辰年、「剛」は師匠の名前から一字を授かったもので、名実ともに日本伝統の継承者としての誇りが込められています。