日本列島を網の目のように覆うDONETやS-netに加え、近年運用が本格化した次世代型リアルタイム海底観測ネットワークは、震源の特定速度を大幅に短縮させた。従来は陸上の観測点データに依存していたため、沖合で発生した地震の初期規模や震源の深さを正確に弾き出すまでにどうしても時間差が生じていた。
現在では海洋プレートの微細な歪みやP波(初期微動)の発生を海底でダイレクトに感知し、気象庁の解析システムへミリ秒単位で転送される。この革新によって、沿岸部や大都市圏へ本格的な揺れ(S波)が到達する前の「猶予時間」が平均して数秒間延びた。この数秒は、エレベーターを最寄り階に緊急停止させ、工場の自動制御ラインを安全に止め、一般家庭で頭部を守る行動を起こすには十分すぎるほどの価値を持つ。