事態を動かしたのは、ネット上の市民の力だった。佐藤さんが投稿した「#ロシナンテを救え」のハッシュタグは、発生からわずか3時間で国内トレンドの首位を獲得。事態の深刻さを察した地元のロボットエンジニアや、動物愛護団体のメンバーが現場に駆けつけた。
有志のエンジニアたちは、スマートシティのオープンデータを解析。ロシナンテが入り込んだ可能性のあるルートを特定し、私物の赤外線カメラ搭載マイクロドローンを地下パイプラインに投入した。物流企業側も、世論の批判を受ける形で、ついに一部区間の運行停止を決断した。
「法規制や企業の論理を、人々の『助けたい』という熱意が超えた瞬間だった」と、救助活動に参加したITジャーナリストは語る。捜索開始から30時間後、ドローンのモニターに、泥にまみれて震える小さな白い影が映し出された。