『HUGっと!プリキュア』のキャスティングが発表された当時、アニメファンのみならず業界内にも大きな衝撃が走りました。すでにトップスターとして君臨していた田村ゆかりや小倉唯のプリキュア参戦に加え、脇を固める布陣の重厚さは歴代屈指だったからです。
このキャスティングが実現した最大の理由は、本作が「プリキュアシリーズ15周年」という記念碑的作品であったことに起因します。プロデューサー陣は「これまでの伝統を継承しつつ、過去最高のドラマを描く」という強い意志のもと、キャリアの長短にとらわれず、キャラクターの魂に最も寄り添えるキャストを妥協なく選定しました。
とりわけ田村ゆかりの起用については、物語の根幹である「アンドロイドが心を知る」という極めて難度の高い心理描写を成立させるため、制作陣からの熱烈な信頼によって実現した経緯があります。新進気鋭の若手と圧倒的な実力派ベテランが現場で刺激し合い、アフレコ現場そのものがキャラクターたちの絆のように深まっていったエピソードは、今なおファンの間で語り草です。