2018年の音楽シーンを語る上で欠かせないのが、2018年ヒット曲ランキングの頂点を争った2つのモンスター楽曲です。それぞれ異なるアプローチで日本中のリスナーを虜にし、音楽の消費スタイルそのものを一変させました。
TBS系金曜ドラマ『アンナチュラル』の主題歌として書き下ろされた米津玄師の『Lemon』は、フィジカルCDとデジタル配信の双方で驚異的なセールスを記録。Billboard JAPANの年間総合ソング・チャートにおいて、2018年・2019年と日本史上初となる2年連続1位を達成しました。米津玄師 Lemon 2018年ヒットの理由として、ドラマの死生観と完璧にシンクロした哀愁漂うメロディに加え、YouTubeでのMV公開から瞬く間に1億回再生(のちに数億回再生へと到達)を突破した「デジタルファースト」の拡散戦略が挙げられます。幅広い世代の心に深く刺さる普遍的な歌詞世界が、単なるタイアップの枠を超えた国民的アンセムへと押し上げました。
一方、対極のエネルギーで列島を明るく照らしたのがDA PUMPの『U.S.A.』でした。1992年にリリースされたイタリア人歌手ジョー・イエローのユーロビート楽曲をカバーした本作は、発売前から「ダサかっこいい」とネット上で大バズを巻き起こしました。DA PUMP USA 社会現象の真相の根底にあったのは、ISSAの圧倒的なボーカル力と超絶技巧のダンススキルという本物の実力の上に、あえてコミカルな「いいねダンス」や「ひよこちゃんダンス」を乗せたギャップです。ハロプロファンからの初期拡散を起点に、YouTubeやTikTokを通じて子どもから高齢者までが踊りを真似る参加型コンテンツへと発展し、DA PUMPを16年ぶりのNHK紅白歌合戦出場へと返り咲かせました。