この変化は単なる印象論ではない。地元有力紙である西日本新聞社が実施した住民意識調査や各種アンケートを分析すると、家事関連時間の長さや育児分担に対する九州男性の意識は、全国平均を上回るスピードで前向きにシフトしている。
地域文化や社会動態を扱う県民性研究の分野でも、興味深いパラダイムシフトが報告されている。九州大学をはじめとする研究グループの社会心理学的知見によれば、九州地方のコミュニティは歴史的に「タテの上下関係」よりも「同世代や仲間内のヨコの結束」を極めて重視する傾向が強い。この相互扶助のメンタリティが、核家族化や共働き世帯の増加に伴い、「家庭内での対等な協力関係」へと自然にスライドしているのだ。
「飲むと熱く語り合う」という開放的なコミュニケーション文化は今も健在だが、それは決して他者を威圧するためではない。むしろ本音をさらけ出し、相手の懐に飛び込むための潤滑油として機能している。