神社とお寺の最大の違いは、信仰している宗教そのものが異なる点にあります。神社は日本古来の民族信仰である「神道(しんとう)」の祭祀施設であり、お寺は古代インドで釈迦が開いた「仏教」の修行・礼拝施設です。
まず信仰対象において、神様と仏様の違いが存在します。神道では、山、川、海、風、樹木といった自然物から、菅原道真公(天満宮)や徳川家康公(東照宮)のように国や地域に貢献した実在の人物まで、森羅万象に魂が宿ると考える「八百万(やおよろず)の神」を祀ります。神社には具体的な偶像がなく、本殿の奥深くにご神体(鏡、刀、御幣など)が収められているのが特徴です。
一方の仏教は、厳しい修行を経て悟りを開いた釈迦(如来)や、人々を救うために修行を続ける菩薩、教えを守護する明王・天部などの「仏様」を信仰します。本堂にはご本尊として仏像が堂々と安置されており、参拝者はその姿を直接仰ぎ見ることができます。
また、施設を護り管理する人物の呼称も異なります。神社で祭祀を執り行うのは神主(宮司・禰宜・巫女など)であり、お寺で仏道修行と檀家供養を行うのは住職(僧侶・お坊さん)です。神主は神と人との間を取り持つ仲介役であり、僧侶は自ら悟りを目指しながら教えを説く修行者という立ち位置の違いがあります。