有料放送事業者側も、不正視聴を放置しているわけではありません。有料放送のスクランブル(暗号化)は、B-CASカード内部に保持されている「ワークキー(Kw)」と、番組ごとに送られてくる暗号化信号が合致することで解除される仕組みになっています。事業者は定期的にこの暗号鍵を一斉に変更する「Kw更新(通称:毒電波施策)」を実施しています。
正規の契約者には事前に新しいKwが電波経由でカードに自動付与されますが、不正に書き換えたカードには正規の更新信号が届かないため、ある日突然すべての有料チャンネルが砂嵐やエラー画面となって視聴不能に陥ります。ネット上では再び書き換えを行おうとする動きが見られますが、事業者はカードごとに割り振られた固有ID(識別番号)の契約状況を厳正に管理しています。
「過去に短期間だけ契約して即解約したカード」や「登録履歴が一切存在しないはずのカードID」がオークション等で出回っていないか、WOWOWやスカパー!、スターチャンネルなどの各社が連携して契約履歴データベースを常時照合しています。不自然な動きを見せるカードIDはブラックリスト化され、民事・刑事の両面から法的手続きの対象としてマークされています。