共演者たちとの距離感もまた、白戸家シリーズの魅力を形作る欠かせない要素だった。娘役の上戸彩は撮影の合間にカイくんの耳を撫でながらセリフの練習を行い、母役の樋口可南子はカイくんがNGを出しても優しく抱きかかえてフォローしていたという。
歴代CMの秘話として有名なのが、アドリブでカイくんが予想外の行動をとった際の出来事だ。セリフのタイミングでカイくんが突然あくびをしたり、カメラをじっと見つめ返したりした瞬間、現場の監督は「これ以上のリアクションはない」とそのまま採用を決断。上戸彩や樋口可南子のリアルな笑いや驚きの表情がそのまま本編に使用されることも珍しくなかった。計算された脚本と、生き物ならではの偶然性が奇跡的なハーモニーを奏でていたのだ。