事件が起きたのは、震災から約4カ月半が経過した2011年7月29日のことです。舞台となったのは、復興関連法案などを審議していた衆議院 財務金融委員会でした。
野党・自民党の近藤三津枝議員が質問に立ち、混乱を極めるエネルギー政策と原発事故対応を巡って海江田氏の進退を厳しく追及。「大臣の言葉を国民は信じられない」「明確な責任を取るべきではないか」という強い言葉が浴びせられた直後、海江田氏の様子に異変が生じます。
答弁席のマイクの前に立った海江田氏は、「私は職に恋々としがみついているわけではない」と絞り出すように発言。その声は震え、目頭をハンカチで押さえながら大粒の涙を流しました。約1分間にわたり委員会室は異様な静けさに包まれ、議場からは野党の野次と与党からの励ましの声が交錯する前代未聞の事態となったのです。