普段の毛利小五郎は、事件の核心から遠く離れた推理を展開し、視聴者の笑いを誘うムードメーカー的存在だ。しかし、この「ポンコツぶり」と「超絶な射撃技術」の対比こそが、彼のキャラクター像に圧倒的な深みを与えている。
引き金を引くことの重みを誰よりも知る男——それが毛利小五郎だ。犯人を追い詰めるための道具として軽々に拳銃を使用することを嫌い、極限の状況下でしかその真価を発揮しない。トラウマとも言える過酷な現場をくぐり抜けてきたからこそ、彼は普段、酒と競馬を愛する「普通の男」を演じているのかもしれず、その人間臭さこそが彼が長年愛される最大の要因である。