山本長官の乗る1番機は、米軍撃墜隊の激しい機銃掃射を受け、左エンジンの付け根から黒煙を噴き上げながら低空へと退避を試みました。しかし、被弾のダメージは致命的であり、ブーゲンビル島南部の鬱蒼としたジャングルへと吸い込まれるように墜落、炎上しました。
一方、後続の2番機に搭乗していた宇垣纏 参謀長は、炎上する長官機を目撃しながら自身も米軍機の集中砲火を浴びます。操縦士の懸命な回避行動により辛うじて密林への激突は免れたものの、機体は海面へと激しく不時着水しました。宇垣参謀長は重傷を負いながらも救助され、奇跡的に一命を取り留めました。
空中戦はわずか数分で終結し、奇襲を成功させたP-38部隊は帰路につきました。制空権を握るべき前線上空で、最高指揮官があまりにも無防備な状態で敵の罠に落ちるという、日本海軍にとって史上最悪の失態となった瞬間でした。