「何度応募しても落選通知しか届かない」――クルーズトレインファンの間で囁かれるこの声の背景には、明確な構造的理由が存在します。JR東日本が運行する専用車両「E001形」は10両編成という長大な車体を持ちながら、客室数はわずか17室・定員34名に厳格に絞り込まれています。1両まるごと展望車やラウンジ、ダイニングに贅沢に充当されているため、1運行あたりに案内できる人数が極端に少ないのです。
運行開始初年度の最高倍率は76倍を記録しましたが、運行から年月を経た2026年現在でも、人気の「春・秋の3泊4日コース(四季島スイート利用)」では10倍〜20倍超の抽選倍率を推移しています。さらに、記念日利用のシニア層だけでなく、インバウンドの超富裕層からの予約要望も根強く、需給の不均衡が恒常化しています。
JR東日本の販売動向データを分析すると、全体の約7割が公式ウェブサイトおよび郵送による直接抽選販売に割り振られ、残りの約3割が「びゅうトラベルサービス」や提携大手旅行会社(JTB、クラブツーリズム等)のパッケージツアー枠として供給されています。この限られたパイを全国の希望者が奪い合う構図こそが、四季島を「日本一予約が取りにくい列車」たらしめている本質です。