建築家・隈研吾氏がデザインを手掛けた国立競技場は、明治神宮外苑の豊かな緑と調和する「木と緑のスタジアム」として世界中から高い評価を集めています。建物の外周を取り囲む「軒庇(のきびさし)」には、全国47都道府県から調達された国産の木材(スギ・カラマツ)が地域の方角に合わせて配置されており、日本の伝統的な木造建築の美学が随所に息づいています。
この木製ルーバーは単なる装飾ではなく、スタジアム内に自然の風を効率的に引き込む「風のテラス」として機能しています。上部に設置された大型通風ファン「気流創出ファン」と連動し、夏場にはフィールドやスタンドの熱気を上空へと逃がすエコフレンドリーな温熱環境制御が施されています。
また、スタンド席に足を踏み入れると目を奪われるのが、白・黄緑・茶・深緑など5色のアースカラーでランダムに彩られたモザイク状の座席配置です。このカラーリングは木漏れ日を表現しているだけでなく、観客がまばらな状態であっても空席が目立ちにくく、スタジアム全体が常に活気に満ちているように見せる視覚的効果を狙った緻密なデザインです。
こうした建築美やスタジアムの裏側を間近で体感できるのが、一般向けに開催されている「国立競技場スタジアムツアー」です。通常ツアーとVIPツアー等のプランが用意されており、東京2026大会のレガシー展示や、トップアスリートが実際に使用した選手更衣室、ウォーミングアップエリア、ピッチサイドのトラック(陸上トラック)を歩く体験ができます。壁面に刻まれたアスリートたちの直筆サインウォールは人気のフォトスポットです。
スタジアムツアーは公式サイトからの完全事前予約制(日時指定)が基本となっており、休日やイベント前後の枠は早期に完売することが多いため、訪問が決まり次第早めのオンライン予約が推奨されます。