一般的なスーパーと激安ディスカウント店を比較した際、なぜ同一メーカーのナショナルブランド商品や生鮮品が20〜30%近く安く提供できるのか、その背景には緻密に計算された流通イノベーションが存在します。
第1に挙げられるのが、「段ボールカット陳列(箱陳列)」と補充作業の省力化です。商品の個包装を一つひとつ棚に並べる作業は小売業における最大の労務コストの一つですが、激安店ではパレットや段ボールのまま店頭へ展開することで、品出しに関わる人件費を極限まで圧縮しています。
第2に、自社物流網(プライベートロジスティクス)の最適化です。特にトライアルや業務スーパーのように、海外直輸入ルートや専用プロセスセンターを保有する企業は、中間マージンをカットし、大量発注・一括配送で輸送コストを削り落としています。
第3に、エブリデーロープライス(EDLP)戦略による広告費の削減です。従来のスーパーが日替わり特売チラシの印刷・配布に多額の予算を投じる一方、激安店は年間を通じて一定の低価格を提示することで、チラシ作成・折り込みコストを売価へと直接還元しています。