北海道真狩村が生んだ不世出の歌い手を称える「細川たかし記念像」は、1994年(平成6年)の真狩村開基100年という記念すべき節目に建立されました。当時、すでに日本レコード大賞をはじめ数々の栄冠に輝き、名実ともにトップスターの座を確立していた細川氏の歌手生活デビュー20周年と、故郷への長年にわたる多大な貢献を称える公式事業として企画されたものです。
一般的な偉人や芸能人のモニュメントといえば、静かに佇むブロンズ像を鑑賞するスタイルが主流ですが、本記念像の最大の特徴は「参拝者が参加することで命が吹き込まれるインタラクティブな構造」にあります。像の土台部分に設置されたブロンズ製の手形プレートに両手を合わせると、高感度センサーが感知し、内蔵スピーカーから細川氏本人の肉声メッセージとともに、魂のこもった名曲が河川敷一帯に高らかに響き渡ります。
内蔵されている楽曲は、いずれも昭和歌謡史に燦然と輝く『北酒場』『矢切の渡し』『浪花節だよ人生は』『心のこり』を含む代表曲4曲。クリアな大音量で再生される圧倒的な声量とコブシは、まるで野外コンサートの最前列にいるかのような迫力と臨場感を放ちます。村の担当者や当時の関係者が明かした記録によると、「ただ眺めるだけの石碑ではなく、訪れたすべての人々が笑顔になり、元気を持ち帰れる場所にしたい」という細川氏本人の強いサービス精神と郷土愛が、この唯一無二のギミックに結実したとされています。