嵐山光三郎の作家人生を彩る最大の要素の一つが、昭和から平成のサブカルチャーを牽引した豪華なクリエイターたちとの濃密な交友関係です。
作家・椎名誠、イラストレーターの故・安西水丸、南伸坊らとは、単なる仕事仲間を超えた盟友関係にありました。1980年代には「昭和軽薄体」や「面白主義」の旗手としてメディアを席巻。椎名誠が率いた「東日本怪しい探検隊(のちの雑魚釣り隊)」にも主要メンバーとして参加し、日本各地の自然の中で焚き火を囲み、酒を飲み交わしながら痛快なエッセイや冒険記を世に送り出しました。
特に安西水丸とは、イラストと文章が絶妙に呼応する共著を多数手がけ、阿吽(あうん)の呼吸で読者を楽しませました。2014年に安西水丸が急逝した際には、自著や追悼対談において「人生の相棒を失った喪失感」を赤裸々に吐露しつつも、盟友の愛すべき人柄をユーモアを交えて語り継ぐ姿が多くのファンの胸を打ちました。互いの才能を認め合い、決して群れすぎず、しかし深い信頼で結ばれた彼らの友情は、日本のカルチャーシーンにおける奇跡的な関係性と言えます。