なぜ岩手の私立高校から、世界を驚かせるプレイヤーが次々と誕生するのか。その中核にあるのが、佐々木洋監督独自の指導法です。
佐々木監督の指導で最も有名なものが、大谷選手も高校時代に実践した「目標達成シート(マンダラチャート)」です。9×9のマス目の中央に「8球団ドラフト1位指名」という最終目標を置き、その周囲に「体づくり」「コントロール」「キレ」「メンタル」「スピード160km/h」「人間性」「運」「変化球」という8つの要素を配置。さらにそれぞれを達成するための具体的な行動へ細分化していきました。
この手法の本質は、抽象的な夢を行動可能な日々の習慣に落とし込む点にあります。特に「運」を引き寄せる項目として「ゴミ拾い」「部屋そうじ」「挨拶」「道具を大切に使う」といった行動が明記されていたことは広く知られています。「人が捨てた運を拾う」という佐々木監督の教えは、技術練習以上に日常の生活態度や人間性を重んじる教育方針の表れです。
監督は著書や報道各社の取材に対し、「選手を枠にはめない」「大人が限界を決めない」ことの重要性を繰り返し語っています。「日本一」ではなく「世界一」を視野に入れさせる声かけが、選手たちの潜在能力を極限まで引き出しています。