実際の自宅療養経験者や看病に当たった家族の手記、SNSや相談窓口に寄せられた声からは、「洗濯そのもの」ではなく「付随する作業」で二次感染が起きていた実態が浮かび上がってきます。
東京都内の40代女性は、夫の陽性判明時の体験を次のように振り返っています。
「夫が脱いだパジャマやシーツを抱きかかえるようにして洗濯機まで運び、バサバサと広げて投入していました。その2日後に私自身も発熱。後から医師に『衣類に付着した乾燥飛沫が舞い上がり、それを吸い込んだ可能性が極めて高い』と指摘され、洗う前の扱いこそが盲点だったと痛感しました」
また、過剰な消毒意識が家庭内の心理的ストレスを爆発させる事例も散見されます。家族全員の服を熱湯消毒しようとして手首に火傷を負ったり、高価な色柄物の衣類に塩素系漂白剤を使って色落ちさせてしまい家族間で口論に発展したりするケースです。感染対策において最も避けるべきは、「効果の薄い過剰防衛で介護者が精神的・肉体的に消耗すること」です。