ただ切るだけに見える板わさですが、切り方一つで食感と味の広がりが劇的に変わります。小田原かまぼこの老舗として名高い「鈴廣(すずひろ)」の研究によると、かまぼこが最も美味しく感じられる黄金の厚みは「11〜12mm(約1.2cm)」とされています。
これより薄く切ってしまうとかまぼこ特有のしなやかな歯ごたえ(プリッとした弾力=足)が損なわれ、逆に厚すぎると噛み切るのに余計な力が必要となり、魚本来の繊細な旨味が舌に伝わりにくくなります。職人が丹精込めて仕上げた弾力とみずみずしさを堪能するには、約12mm幅で均一に切り揃えるのが鉄則です。
また、板からかまぼこを外す際、包丁の刃先を使ってはいけません。包丁の背(峰)を使い、板の表面に沿わせるように滑らせるのがプロの技です。木の繊維を削り取ることなく、かまぼこの身を傷つけずに美しい平面のまま綺麗に剥がすことができます。