シリーズを語る上で決して外せないのが、前作で多くの観客の涙を誘った空想上の友達「ビンボン」の存在です。ピンク色の綿菓子のような体にゾウの鼻、ネコの尻尾を持つビンボンは、幼いライリーが創り出した無邪気な遊び相手でした。
物語のクライマックス、ヨロコビとともに記憶のゴミ捨て場(メモリー・ダンプ)へと落ちてしまったビンボンは、ロケットを飛ばして脱出するために、自ら飛び降りて底に残る決断を下します。自分がライリーの記憶から完全に忘れ去られ、消滅することを理解した上での自己犠牲でした。
なぜビンボンは消えなければならなかったのか。それは、「大人になるためには、子どもの頃の無邪気な空想を手放さなければならない瞬間がある」という、成長に伴う普遍的な痛みを象徴しているからです。「彼女を月に連れて行ってあげて」という最後の言葉は、ライリーの成長を願う純粋な愛の結晶であり、映画史に残る名シーンとして今なお語り継がれています。