初期dreamを語るうえで避けて通れないのが、2002年夏、グループが最も勢いに乗っていたタイミングで発表された松室麻衣の卒業(脱退劇)です。ネット上やファンの間では当時、メンバー間の不仲説やマネジメントとの対立など様々な憶測が飛び交いました。
しかし、当時の関係者証言や卒業特番、本人の手記などを検証すると、dream メンバー変遷 理由の核心は「アーティストとしての方向性の明確な分岐」にありました。
松室麻衣は幼少期からピアノに親しみ、自らメロディと歌詞を紡ぐシンガーソングライター志向を強く持っていました。一方、当時のavexにおけるdreamは、過密なプロモーションスケジュールをこなし、激しいダンスを踊り続ける「ビジュアルアイコン」としての役割が急速に求められるようになっていました。
「このままダンスポップユニットの一員として消費されるのではなく、自分の音楽を基礎から学び直し、ピアノと共に歌を届けたい」という彼女の決断は、表現者としての誠実さゆえの選択でした。2002年6月に開催された卒業ライブツアーのラストステージで見せた3人の涙と抱擁は、不仲による決裂ではなく、互いの選んだ道を尊重し合った結果であることを雄弁に物語っています。