億り人を達成した直後に最も過酷な試練となるのが、日本の税制システムです。特に暗号資産で急激に資産を増やした投資家が直面するのが、「所得税+住民税で最大55%」に達する雑所得の累進課税です。
株式投資や投資信託の売却益、配当金に対する課税は「申告分離課税」が適用され、利益の大きさに関わらず一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)で済みます。しかし、暗号資産の売買益や他の暗号資産への交換(利確)による利益は総合課税の対象となり、年間利益が4,000万円を超えた部分には所得税の最高税率45%が適用され、住民税10%と合わせると利益の半分以上が税金として徴収されます。
ここで多くの未経験者が陥る致命的な罠が「納税資金の未確保」です。
- 12月に暗号資産で1億5,000万円の利益を確定(課税所得が確定)。
- 翌年1月に別の銘柄へ全額再投資した直後、市場が暴落して資産が1,000万円に縮小。
- 翌年3月の確定申告および住民税通知で、前年の利益に対して約7,000万円以上の納税義務が発生。
- 手元には1,000万円しか残っておらず、追徴課税と延滞税で破産に追い込まれる。
税法上、税金の納付義務は破産宣告を行っても免責されない(非免責債権)ため、一時の評価益に浮かれてキャッシュを確保しなかった投資家が、一夜にして多額の負債を抱えた「元・億り人」へ転落する悲劇が実際に報告されています。