壁に貼られたバナナが6億円?現代アート『コメディアン』の衝撃

壁に貼られたバナナが6億円?現代アート『コメディアン』の衝撃

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事件の発端は、世界屈指のアートフェア「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」に遡る。名門ペロタンギャラリーのブースに突如現れたのは、イタリア出身の芸術家マウリツィオ・カテランによる作品『コメディアン』だった。壁に貼られただけのバナナに、世界中のコレクターが群がった。初出展時の提示価格は12万ドル(当時約1300万円)。展示会場では作品が別のパフォーマンスアーティストに食べられてしまう前代未聞のハプニングまで起きたが、話題性は高まるばかりだった。

狂熱の頂点は、大手競売会社サザビーズで開催されたイブニング・オークションで訪れた。激しい競り合いの末、暗号資産プラットフォーム「TRON」の創業者として知られるジャスティン・サンが、手数料込みで約620万ドル(約9億5000万円)という破格の金額で落札したのだ。競売人の槌音が響いた瞬間、会場は歓声と呆れ顔の入り交じる異様な熱気に包まれた。彼は落札後、メディアの前で「歴史的な体験」としてそのバナナを実際に食べてみせたのである。

田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。