すべては、1971年の京都で引かれた一台のリヤカー屋台から始まった。創業者の木村勉が、全財産を失うという絶望の淵から立ち上がり、わずかな資金をかき集めてスタートさせた挑戦。当初は失敗の連続だった。客にスープを酷評され、悔し涙を流しながら鍋に向かい続ける日々。しかし、彼の胸には「他には絶対にない、自分だけの味を創り出す」という狂気にも似た執念が宿っていた。
約4年の歳月を費やし、気の遠くなるような試行錯誤の果てに辿り着いたのが、あの唯一無二のスープだ。現在では全国に広がる一大チェーンへと成長したが、白川の総本店に立つと、当時の屋台の熱気がそのまま残されているかのような錯覚を覚える。効率化やマニュアル化が進む現代にあっても、この場所だけは創業者の泥臭い情熱が染みついた聖域として、訪れる者を圧倒し続けている。