首位争いがどれほど激化しようとも、作品の精神的支柱として絶対的な存在感を放ち続けるのが綾小路清隆だ。彼が示すのは、単なる無敵のヒーロー像ではない。他者を道具としてすら見なし得る徹底した合理主義と、その裏に透ける人間的な感情への揺らぎが、読者に底知れぬ底深さを感じさせる。
「ホワイトルーム」と呼ばれる特殊な環境で鍛え上げられた規格外の頭脳と身体能力。それを誇示することなく、常にDクラスの裏から糸を引く影の支配者としての振る舞いが、読者のカタルシスを刺激する。強さの裏にある孤独と冷徹さが、彼のカリスマ性を揺るぎないものにしているのだ。