山井さゆみが最も情熱を注ぐ分野の一つが、子どもたちや若者への教育活動である。小中学校や高校での出前授業、大学での体験講座を通じて、能楽の面白さを直接体験させる活動を精力的に行っている。
実際に能面をかけさせるワークショップでは、視界がいかに狭くなるかを体験した生徒たちから驚きの声が上がる。その制約された空間の中で、いかに体幹を意識し、音と気配で舞台を把握しているかを体験することで、生徒たちは古典芸能の凄みに直に触れることになる。
「本物に触れる体験は、子どもたちの心に小さな種をまく。その種が何年後、何十年後に開花すればいい。」
未来の観客を育てるだけでなく、未来の演者・後継者を育てるための地道な努力が、日々の舞台の裏側で脈々と続けられている。