夕暮れ時の街を歩くと、どこからともなく香ばしいニンニクと濃密な胡椒の香りが漂ってくる。香川県丸亀市を発祥とする「骨付鳥」は、いまや全国の肉好きを狂喜させるご当地グルメの筆頭格だ。
高温の窯で一気に焼き上げられた鶏肉は、皮がパリッと香ばしく、かぶりついた瞬間に熱々の肉汁が溢れ出す。噛みしめるほどに深いうま味が広がる親鳥(おや)と、ふっくら柔らかくジューシーな雛鳥(ひな)。この対極的なふたつの選択肢が酒描きを唸らせる。お皿の底に残ったスパイシーな脂に、キャベツやおにぎりを浸して最後まで味わい尽くすのが地元の流儀だ。