数年前、広島市教育委員会が平和教育用副教材から『はだしのゲン』の一部エピソードを削除・変更したニュースは、社会的に大きな議論を巻き起こした。教育的配慮や時代の変化を理由とした判断だったが、市民や専門家からは「作品が持つ多角的な視点や歴史の実相が薄まるのではないか」という強い懸念が示された。
だが、この騒動は怪しくも怪我の功名となった。作品の真価を問い直す機運が高まり、特に朴さんのように過酷な環境下で人間性を保ち続けた登場人物の重要性が再認識されたからだ。各地の図書館や自主的な勉強会では、削除された文脈を補完しながら原作をじっくり読み解くイベントが相次いで開催され、朴さんの存在を通じた深い平和学習が広がりを見せている。