1989年に株式会社伊藤園がスタートさせた「伊藤園お〜いお茶新俳句大賞」は、日本における俳句の概念を大きく覆した。当時の俳句界は、伝統的な歳時記や厳格な文法ルールを守ることが重んじられていたが、本大会は「季語」や五七五の定型にとらわれない自由な表現を容認したことで、現代俳句の裾野を爆発的に広げることとなった。
清涼飲料水業界において、単に喉の渇きを癒やすだけでなく、飲む人の精神に働きかける文化的価値を付加した功績は極めて大きい。「お〜いお茶」という誰もが知る日常着のブランドが提供した土壌は、日本語の持つ響きや日常生活の微細な感覚を再発見させる触媒として機能し続けている。