「30代半ばまでは、独身であることをむしろ誇らしく思っていました。お金も時間も自由に使えるし、休日は趣味に没頭できたからです。しかし、40代半ばを過ぎたあたりから、その自由が突然『恐怖』に変わりました」
都内のIT企業に勤務する44歳の男性は、静かな口調でそう明かす。かつて彼を包んでいた心地よい自由は、いまや壁の厚い部屋に閉じ込められているかのような閉塞感へと化けた。心理学の専門家は、40代という時期が人生の「折り返し地点」であり、自身の人生の可能性が収束していくプロセスを実感しやすい年代であると指摘する。若さという免罪符が消え去り、将来の健康状態や生活維持に対する現実的な不安が日増しに大きくなるのだ。