池谷裕二氏の華々しい経歴を振り返ると、その根底には一貫した「脳への純粋な探求心」が存在します。1970年生まれの池谷氏は、東京大学薬学部を卒業後、同大学院で薬学博士号を取得。コロンビア大学への留学を経て、若くして東京大学の教授に就任しました。
日本学士院学術奨励賞や日本学術振興会賞など、数々の権威ある科学賞を受賞してきた実績は、学術界における評価の高さを物語っています。実験データを徹底的に重視する厳格な科学者でありながら、エッセイストとしても洗練された文体を操る稀有な才能の持ち主です。
脳の神経回路が持つ驚異的な柔軟性を証明し続ける池谷氏の歩みは、病気や加齢に対する人間の向き合い方そのものを大きく変えつつあります。