倉敷の文化的な基盤を語る上で欠かせないのが、実業家・大原孫三郎と洋画家・児島虎次郎の存在だ。ふたりが築き上げた文化への深い造詣とパトロン精神は、今の時代にも脈々と受け継がれている。かつて紡績工場から観光の拠点へと生まれ変わった倉敷アイビースクエアの広大な敷地は、いまや地域文化のハブから世界的文化拠点への深化を遂げつつある。
児島虎次郎がヨーロッパで収集した美のコレクションや、大原孫三郎の「社会還元としての文化事業」という哲学は、今回のアートホテルのコンセプト設計における根幹となっている。展示される作品の選定基準からコミュニティとの連携に至るまで、二人の先覚者が抱いていた志が、現代において全く新しいアプローチで結実した形だ。