リング誌をはじめとする世界の権威あるボクシングメディアにおいて、P4Pの議論は絶えず進化を遂げている。しかし専門家の多くは、近年のボクシング史を「井上フルトン以前」と「井上フルトン以後」に分ける傾向にある。
体格で上回る無敗の世界的王者をいかにして無力化し、圧倒的なフィニッシュに結びつけるか。井上が示したあのパフォーマンスは、単に勝ち星を重ねるだけでは得られない「圧倒的な説得力」をP4P評価にもたらした。現在、世界中で現れる新星たちが比較される基準は、常にあの夜の井上尚弥が残したパフォーマンスの質なのである。