絵画や3D制作の現場でよく使われる「パースが狂っている」という言葉。これは、描かれた空間内の消失点やアイレベルに矛盾が生じ、人間の脳が直感的に「不自然だ」と認識してしまう状態を指す。
典型的な失敗例として挙げられるのが、1つの画面の中に複数の矛盾するアイレベルが混在してしまうケースだ。例えば、手前のテーブルは上から見下ろしているのに、その奥に立つ人物は真横から捉えられているといった現象である。また、消失点に向かう角度が急すぎたり、レンズ効果を無視して極端な遠近差をつけすぎたりすると、物体が不自然に歪んで見えてしまう。
人間の脳は空間の矛盾に非常に過敏だ。わずか数ミリの線の歪みが、作品全体のリアリティや説得力を一瞬で損なってしまう危険を秘めている。