教育現場やSNS、オンライン学習コミュニティの投稿データを精査すると、社会人になって英語を学び直す人々が共通して吐露する生々しい葛藤が見えてきます。
大手オンライン英会話で週3回のレッスンを継続している30代ビジネスパーソンの学習日誌には、次のような率直な手記が残されています。「会議の冒頭、雑談で相手に『週末は忙しいですか?』と聞こうとして『Do you busy?』と言ってしまい、外国人講師に怪訝な顔をされた。頭ではbusyが形容詞だと理解しているのに、口から音を出す瞬間にはDoが勝手に出てしまう」。こうした英語初心者が間違えやすい理由の深層には、文法知識の欠如ではなく、「自動化(知識を無意識に運用する処理能力)」の不足があります。
また、知恵袋や語学フォーラムに寄せられる質問件数を見ても、「Do you live in Tokyo? と Are you living in Tokyo? のニュアンスの違い」や「返答でYes, I do と Yes, I am を言い間違えて恥をかいた」という趣旨の相談が年間を通じて上位を占めています。現場の日本人学習者の多くは、机上のマークシート試験では正答を選べるにもかかわらず、リアルタイムの対話という時間的プレッシャー下で「動詞の種類に応じた瞬発的な切り替え」に躓いているのが実態です。