四万十川の景観を語る上で欠かせない存在が、増水時に川底へ沈むよう設計された「沈下橋」だ。欄干(らんかん)のない独特の構造は、自然の猛威をかわすための先人の知恵であり、里山の原風景と見事な調和を見せている。上流から下流にかけて47基もの沈下橋が点在し、それぞれが異なる表情で川面を彩る。
カヌーに乗って沈下橋の下をくぐり抜ける瞬間は、旅の中でもクライマックスのひとつだ。頭上を覆うコンクリートの橋脚を通り抜けると、パッと視界が開け、青空と緑の山々が眼前に広がる。岩間沈下橋や佐田沈下橋など、人気の撮影スポットを川の目線から見上げる贅沢は、陸上の観光旅行では絶対に味わえない快感だ。