近年のパーソナルモビリティ環境を観察すると、子乗せ対応型をはじめとする電動アシスト自転車の普及率が跳ね上がる一方、街角では「空気圧不足のまま走る危険な電動車」が急増しています。
一般のママチャリの車両総重量が約18〜20kgであるのに対し、子どもを2人乗せた電動アシスト自転車と搭乗者の総重量は100kgを容易に突破します。この強烈な車重を支えるタイヤの空気圧が低下していると、段差に乗り上げた瞬間にリム(ホイールの金属フチ)でチューブを挟み込んで強打し、ヘビが噛んだような2本の裂け目を生じる「リム打ちパンク」がほぼ確実に発生します。
さらに深刻な症例が、電動アシストの強大な初期トルクによる「モギレパンク」です。空気圧が低い状態でアシスト全開で漕ぎ出すと、タイヤの中でグリップを失ったチューブが回転方向にズレてしまい、ホイールの孔に固定されたバルブの根元を引きちぎってしまいます。この破損が起きると、パッチ補修による修復は一切不可能となり、高額なチューブ交換(工賃込みで3,000円〜5,000円超)を余儀なくされます。
ネット上には「パンク防止剤(ジェル)をあらかじめ注入しておけば空気を入れる頻度は低くて済む」という誤解が散見されますが、これは真っ赤な嘘です。防止剤は異物の刺突による微小な穴を塞ぐケミカルであり、分子レベルで自然に抜けていくエアの保持やリム打ちの衝撃吸収には一切寄与しません。安全で経済的なサイクルライフを維持する上での最適解は、電動自転車空気入れ頻度を「最低でも月に2回(隔週)」と体に刷り込むことです。