物語の中核をなす魔法少女たちの造形は、どこまでも緻密で血が通っている。主人公の鹿目まどかは、自己肯定感の低さに悩む平凡な中学生でありながら、最終的には宇宙の理そのものを改変する凄絶な決断を下した。彼女の純粋な善意は、時に狂気すら孕む救済の概念へと昇華する。
一方で、時を遡る魔法を行使し続ける暁美ほむらの存在は、本作における愛と執着の象徴だ。まどかを惨劇から救うためだけに繰り返される無数のループ。その過酷な孤独が彼女の精神を研ぎ澄まし、やがて世界を揺るがす変容へと導いていく。
さらに、己の正義感ゆえに自滅への道を突き進んだ美樹さやか、孤高のリアリストとして生きつつも情に厚い巴マミ、利己的に振る舞いながらも最後に愛を選んだ佐倉杏子。誰一人としてステレオタイプに収まらない彼女たちの葛藤が、群像劇としてのドラマ性を極限まで高めている。