駅や商業施設で見かける「男性=青(ズボン)」「女性=赤(スカート)」のピクトグラム(絵文字標識)は、実は1964年の東京オリンピックを契機に日本で本格開発・体系化された視覚伝達デザインです。
世界中から訪れる多言語の外国人選手や観客に対し、言葉を介さずに一瞬で場所を伝える目的でデザインされ、その直感的な分かりやすさから世界基準へと広がりました。
しかし近年の公共空間では、デザインのあり方が大きく進化しています。色覚多様性に配慮し、赤と青のコントラストに頼らず明度差をつけた配色や、シルエットの工夫を取り入れたJIS(日本産業規格)準拠のアイコンが主流となっています。
さらに、車椅子利用者やオストメイト、子ども連れ、性別を問わず誰もが利用しやすい「オールジェンダートイレ(誰でもトイレ)」の普及に伴い、車椅子や乳幼児マークを組み合わせた多機能ピクトグラムの導入が急速に進んでいます。誰もが迷わず快適に利用できる空間づくりが、現代の都市設計における新たなスタンダードです。