三之宮神社を語る上で欠かせないのが、慶応4年(1868年)1月11日にこの境内で引き起こされた幕末維新最大の国際外交事件、通称「神戸事件」です。
備前藩(現在の岡山県)の隊列が三之宮神社の前を通りかかった際、フランス水兵2名が列を横切ろうとしたことから衝突が発生。隊長・滝善三郎の号令によって銃撃戦へと発展し、居留地を警備していた米・英・仏などの列強諸国軍と銃火を交える非常事態となりました。事件後、列強諸国は神戸を軍事占領し、誕生したばかりの明治新政府に対して強硬な外交圧力を加えました。
最終的に、隊長の滝善三郎が兵庫の永福寺にて自刃・切腹することで事態は決着を見ました。この潔い最期は外国人立ち会い人たちに大きな衝撃を与え、武士道精神の象徴として世界に記録されました。境内には現在、当時の生々しい爪痕を後世に伝える「神戸事件発生の地」の石碑や、大砲の弾輪を模した史蹟が静かに佇んでいます。
境内を歩く際は、本殿への参拝と併せて以下の見どころをじっくりと観察するのがおすすめです。
- 本殿・拝殿:都市の喧騒を遮断する凛とした空気が漂い、細やかな社殿彫刻が施されています。
- 神戸事件の記念碑:幕末から近代への転換点となった現場を物語る貴重な歴史遺構です。
- 境内末社(稲荷社):五穀豊穣・商売繁盛の神として、近隣のビジネス関係者から篤く信仰されています。
- 御神木:都市環境の中にありながら力強く根を張る巨木であり、浄化のパワースポットとして親しまれています。