「正解のダボっと感をつくるには、これがないと話にならないんです」――原宿の古着店前で取材に応じた20歳の大学生は、持参したポーチから慣れた手つきで容器を取り出してみせた。今や若者たちの間で、靴下以外の部位に使うのはもはや常識。オーバーサイズのシャツの袖を捲り上げた絶妙な位置で固定したり、オフショルダーのトップスの胸元が開きすぎないよう肌に直接貼り付けたりと、まるで「着るメイク道具」のような扱いを受けている。
特にTikTokを中心に広まった「ミリ単位のシルエット補正」動画は、世界中のファッショニスタを唸らせた。服のラインを崩さずに理想のドレープ感をキープするツールとして、プロのスタイリストたちもこぞって撮影現場に持ち込むようになっている。靴下留めという本来の役割は、今や広大な用途のほんの一部に過ぎない。