彼の評価を決定づけ、全国区の知名度へと押し上げたのが、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2026年)における公暁(くぎょう)役の熱演だ。源実朝を討ち取るという歴史的重要人物であり、愛憎と狂気に苛まれる複雑な役柄を、寛一郎はまさに鬼気迫る演技で体現した。
特に印象的だったのは、悲劇的な運命を背負った青年の苦悩を目線の揺らぎや吐息一つで表現した点だ。時代劇という厳格な枠組みの中で、重厚なセリフ回しと鋭利な立ち回りを披露した姿は、かつて数々の名時代劇で異彩を放った三國連太郎や佐藤浩市の面影を重ね合わせる視聴者も多かった。NHKの大型枠で証明したその実力は、若手実力派としての地位を不動のものとした。