本作の最大の引力は、善悪のグラデーションが激しく揺れ動く登場人物たちの生々しい欲望と、タイムリープによって塗り替えられていく人間関係の歪みにあります。登場人物たちの利害と思惑は、ひとつの巨大な海難事故を起点に複雑に交錯していました。
物語の中心に君臨するのは、歌舞伎町のホストクラブ「シャンパン・タワー(Shangri-La)」で絶対的な人気を誇るナンバーワンホスト・エイトこと堂島旺太郎(山﨑賢人)です。過去の沈没船事故で家庭が崩壊し、莫大な借金を背負ったトラウマから「愛など無価値、女は金を得るための道具」と割り切る冷酷な男。彼の前に突如現れたのが、真っ赤なルージュを塗り、触れる者を死に至らしめて時間を巻き戻す「キスの女」こと佐藤宰子(門脇麦)でした。
旺太郎が次なる標的に定めたのが、総資産100億円を誇る並樹グループの令嬢・並樹美尊(新木優子)。しかしその背後には、美尊を血のつながらない妹として病的なまでに愛し、グループの後継者としての地位を狙う義兄・並樹尊氏(新田真剣佑)が立ちはだかります。さらに、美尊に片思いし続ける大手ホテルチェーンの御曹司・長谷部寛之(佐野勇斗)、旺太郎を慕いながら裏の顔を隠し持つ後輩ホスト・小山内和馬(志尊淳)が絡み合い、愛と欲望が渦巻く骨肉のサスペンス劇が展開されました。