劇場公開時のみならず、本作が長年にわたり人々の議論の対象であり続ける大きな要因は、日本テレビ系『金曜ロードショー』における定期的なテレビ放送だ。劇場用アニメ映画として誕生した作品が、地上波を通じて何世代にもわたって繰り返し視聴される環境が作られた。
スタジオジブリ作品が持つ多層構造は、一度目の視聴では「子どものためのファンタジー映画」として楽しめ、二度目、三度目の視聴では大人の観客に向けた暗喩や細部の怪しさに気付くように設計されている。テレビ放送のたびにSNS上で新たな解釈や議論が沸き立ち、アニメーション産業全体にとっても「再消費され続けるコンテンツ」の最高峰として君臨し続けている。放送が終わるたびに巻き起こる考察ブームは、メディアと作品が一体となって作り上げた現代の文化現象と言えるだろう。