本作はベティ・デイヴィスにとって、文字通り女優としてのキャリアを締めくくる歴史的な名演となった。重い病を克服しながらも身体的な苦痛を抱えて撮影に臨んだ彼女の姿は、当時の映画業界関係者を大いに圧倒した。己の衰えを隠すことなく、ありのままの老いと誇り高き気性を役に注ぎ込んだ姿は、まさに真のプロフェッショナリズムを感じさせる。
かつて映画芸術科学アカデミーから二度の主演女優賞に輝いた大女優が、人生の最終章で見せた凄み。それは単なる過去のノスタルジーではなく、一人の人間が生を全うしようとする鬼気迫る情熱そのものだった。彼女が画面越しに放つ一挙手一投足は、今なお観客の胸を強く打つ。