平日の夕方および休日の大山商店街を歩くと、かつての風景と現代の風景が奇妙な調和を見せています。
ハッピーロード大山商店街の既存アーケード区間では、名物の惣菜店や立ち食い焼き鳥店、激安ドラッグストアに依然として長い列ができています。夕飯の買い出しに訪れる地元住民が自転車を押しながら店員と世間話を交わす風景は、かつてと何ら変わりありません。
一方、新しく完成した複合ビルの足元には、スペシャリティコーヒーを片手にベビーカーを押す若い共働き世帯の姿が目立ちます。新旧の住民層の間にはどのような温度差があるのか、現場で収集した証言を検証します。
【タワーマンションに入居した30代夫婦の証言】
「池袋勤務で利便性を最優先に大山を選びました。下町の商店街は少し近寄りがたいかと思っていましたが、個人のお肉屋さんや八百屋さんがとても親切で、物価も都心より圧倒的に安い。タワマン内の近代的なスーパーと昔ながらの総菜屋を使い分けられる環境は想像以上に快適です」
【遊座大山商店街で飲食店を営む2代目店主の証言】
「道路計画が決まった当初は街が壊れると危機感しかなかった。でも実際に新しいマンションが建ち始めると、夜遅い時間にフラッと飲みに来てくれる新しい若いお客さんが確実に増えた。古くからの常連さんを大切にしながら、メニューや決済方法をアップデートした店はむしろ売り上げを伸ばしている」
現場観察から明らかなのは、商店街が「死んだ」のではなく、「顧客層の多様化に伴い、商売のあり方が再定義されている」という現実です。